風来坊の部屋

アメリカンキャンピングカー(クラスC)屋根防水工事


あなたのキャンピングカーの屋根は大丈夫ですか?

私、風来坊は建築業の防水屋さんです。まさか、キャンピングカーの屋根を防水するとは夢にも思ってませんでしたが今回、初の試みですがキャンピングカーの屋根に防水工事を施工してみました


キャンピングカーの屋根に登ったた事が有る方はご存知だと思いますが、キャンピングカーの屋根には大きく分けて3パターンの屋根が有ります。
1つ目は屋根が金属(アルミ製)のタイプ、2つ目はシート、3つ目はFRPです。どれも、長所と短所を持っているので、どのタイプの屋根がいいとは言えません・・・・
簡単に屋根が金属のタイプは古くなると錆からの雨漏りや屋根の際の部分のシール不良などから雨漏りということもしばしば!
2つ目のシートの屋根はシートの性質から、経年変化による劣化などでシートが縮んだりしてその際から破れてしまうことや、屋根をうっかり傷つけたりしてシートを破ったりして発生する雨漏りなど・・・・
3つ目のFRPは硬くて軽い!でも、その硬さが仇になることも!キャンピングカーはキャンプ地に移動します、その移動中というのは絶えずキャンピング部分は歪んでるんです。(この現象はどのタイプのキャンピングカーに共通です)よく、走行中にキャンピング部分やバンク辺りからギシギシ音がなってる事が有りませんか?この歪みが屋根のFRPには過酷なんです。最悪、FRPに亀裂が走ったりする事も考えられますし、FRPの材質には可塑剤が含まれているのですが、この可塑剤が徐々に大気中に放出されてFRPが硬くなって割れやすくなってきます。

今回、ここで紹介する防水工事はアメリカンキャンピングカー(クラスC)の屋根です。屋根の防水の種類はシート、案の定シートは切れていました。

写真に写っている部分はちょうど屋根に登るタラップ(ハシゴ)の部分です。
恐らく、屋根を登り降りする時に擦れてシートが薄くなって切れたようです。
屋根全体はこの様な状態です。シート表面はチョーキング(手で触ると白くなる現象)してます。
バンク先端は何度か補修をした跡が有ります。
補修部分を撤去した状態です。やはり、うっすらとシート下に湿気が有りました。この状態から察して屋根全体がこの様な状態だと考えられます。(怖)
屋根にトップBOXが取り付けて有りましたがどうやらこの辺の取り付けに問題が有ったようです。
(黒くなってる所はカビです・・・・・)
さらに、調べると屋根の母材にあたる木材が水分を含んでブヨブヨしています。
ひどい所は腐葉土の様になってるところもあります。
もう、こうなったら全面防水しか手は有りません・・・・・
特殊なドライアー(業務用)でシート下の木材を乾かしていきます。
徹底的に不良箇所を撤去して乾かした後、防水用のプライマーを塗布していきます
防水用のプライマーを屋根全体に塗布した状態です。
今回は塗膜防水材を選定しました。この塗膜防水は硬化するとゴム状になる防水材です。先に、シートを剥がした部分に塗膜防水材を塗布します。
バンクの先端も同じように先に塗っておきます。この部分は走行中、もっとも歪むところなので防水材と補強布を一緒に塗りこんでいきます。
この防水材のいいところは、なんと言っても細かい所まで防水が出来る事!それと、ジョイントが出来ないので屋根がすっきり見えるようになります。
どうです?塗りあがったところは綺麗でしょう?
正規の工程は3回ほど塗布をして厚みを確保します。
この材料が乾くと今度はこの防水材を保護する塗料を塗布して完成です。
保護塗装をした状態です!
今回の塗料は軽歩行用の塗料で、塗料の中に細かい砂が入ってます。この塗料を2回塗布して完成です。
ここで、風来坊からのアドバイスです。
もし、新車・中古キャンピングカーを購入される事がある時はまず、屋根の状態をチェックしてくださいね!屋根の状態は良く見えても過去に雨漏りなどが見受けられる事が有れば要注意です。もし、その雨漏りが修理してあるのであればその修理したところを見せていただく事も必要です。それは、何故かといいますと防水の知識が無い方の修理と言うのはきちんとした材料の選定をされてるかどうかが心配なのです。(コーキング・シーリングにもいろんな材料があるからです)
新車の購入の場合でも特に輸入車の場合、日本の気候に適した作りのキャンピングカーが少ないので屋根の防水の考え方もそのお国によって防水の考えもその国で違います。新車だから安心という考えは危険ですのでよ〜く見て・チェックしてくださいね!